実際のところ、猫を鍵盤に乘せたことがないので、本当に音を出すのかわからないけど❢でも、2.3步歩いたらポンポンと鳴る音に、びっくりしてピアノから飛び降りるのでは?と、言う訳で、確かにこのピアノという楽器は、押せば、猫でも音が出るという、誠に簡単な代物です。
ところがどっこい、音は出せても音色というものは出せない。この音色こそ、ピアノを弾くうえでとても大事になってくるのです❢そして、この音色が、人間にしか持ち得ない感性の産物なのです。
私の師は、この音色に関してとても厳しい!何も考えないで出した音に、するどく指摘が入ります[あなた、怒ってるの、笑ってるの?]と、聞いてきます。とにかく1音1音、意味のある音色を出しなさいと!
ピアノ❢ かくも手ごわい楽器なりけり…
時々、生徒の前で、ピアノを弾いてみせる❢ ことがありますが、数人の生徒が、こう聞いてきます。私はすかさず[だって、先生だもの]と、答えます。すると[あっ、そうか!]と納得。しかしながら、本当に先生だから、上手なのか! いいえ、違います。そこには、小さい頃から積み上げてきた練習🎹というものが、存在しているのであります。 生徒達は、その過程を知らないから、いかにもすぐ弾けるように、思ってしまう。 この練習の2文字は、ピアノをやってきた人にとって、必要不可欠な言葉。1に練習、2に練習、3.4.5も練習したからこそ、今があるのであります❢ 昨今の生徒さん、はっきり言って、練習苦手!どうかすると、一週間全くやってこない強者も現れます(笑) でも、たまに急に練習スイッチが入って、曲が完成すると、嬉しくなって、レッスンの始めに、得意そうに、弾いてるのを見ると、(ほら、やっぱり練習したら、楽しいじゃん) と、つぶやいている私です。練習ー❢ それは、生徒にとっても、私にとっても、永遠の課題です…
かれこれ、30年近く前、レッスン指導に、行き詰まり、何とか打開したくて、新しいメソッドを探していた時に出合ったのが、現在も使用している、ペースメソッドです。それまでの伝授型レッスンから、抜け出し、子どもの本来持っている能力を引き出していくという、当時とてもざん新な指導法でした。 このレッスンを早く習得したくて、アメリカのニュージャージーまで行き、10日間G先生の元で、学ばせていただきました。そのG先生は、昨年秋に、お亡くなりになりましたが、生前は、とてもアクティブにレッスンをなさってました。 今、日々レッスンをしていて思うに、先人の遺してくれた偉業を、果たして私は次世代に伝えきれているのか…反省しかりです。生徒はもちろんですが、これからの日本のピアノ教育を担っていく、若い先生方に、この素晴らしいメソッドを伝えなくてはと、強く願う今日この頃です。